第1回 スープカレー考察


どうも、大木煩悩です。サイト開設当初からメニューだけでほったらかしの雑学のページですが、そろそろやっていこうかと思います。「いつになったらやるんだ、( ゚Д゚)ゴルァ!」と思っていたら方々、いやぁ、ほんとすいません(^^;
カレー編の第一回目は「スープカレー考察」です。北海道特に札幌はカレー店が非常に多いですよね。その多くが、いわゆるインドカレーではなくスリランカカレーだったり、オリジナルカレーなどスープカレーといわれているのも特徴です。「札幌と言えばラーメン」だったのですが、じゃらんなど旅行雑誌でも今やカレーは札幌の文化として取り扱われ、札幌の旅行の際にはカレーを食べようという人も増えてきていると思います。今回は何故カレーが札幌でブレイクしたのか、そもそもスープカレーっていうのはなんぞや?という部分を大木煩悩的に解釈してみようと思います。

早速本題。そもそもスープカレーってなんなんでしょうか?一般的にはカレーの形状で区別がされていると考えられます。「スープ状である」というのがスープカレーの必要十分条件ですね。でも、単にそれだけじゃここまで流行らないですよね。
カレー全体を見れば、日本では様々なカレーを食べることができます。和風カレー、欧風カレー、インドカレー、スリランカカレー、タイカレーなど様々です。各カレーの特徴は別の機会ににまとめるとして、和風カレー、欧風カレーは使用するスパイスとしてカレー粉(混合スパイス)があり、どちらかというとカレー粉を延ばす出汁に重点が置かれていると思います。その一方でインドなどエスニック圏のカレーは香りや効能などからスパイスの使い方に非常に重点が置かれています。北海道のスープカレーはスープに鶏ガラやトンコツ、和風だしやフォンなど様々なバリエーションがある一方、店によって数十種類のスパイスを駆使しています。
和風、欧風にはない巧みなスパイス使いと、エスニック圏にはないスープに重点をおおいているという両者の長所を融合したものと言えるのではないでしょうか。


北海道のスープカレーの元祖は※1アジャンタといわれていわれています。約30年前から営業し、今も多くのファンを掴んでいます。では、スープカレーが北海道で定着したのはなぜでしょうか?いくつかの要因が考えられると思います。
まず、北海道には既にラーメンという食文化が定着しています。いわゆるスープという食文化に対してある程度の基盤があるということです。寒い北海道に対してあったかいスープといった感じでしょうか(カレーは本来体を冷やす食べ物ではあるが)。歴史的にみても他の地域に比べ(食文化に限らず)異文化の受け入れがしやすいのではないだろうかと考えます。カレー店側から考察してみると、食材となる野菜などを現地入手しやすいということもあります。スープカレーでは欠かせない(?)ジャガイモや、スープ、具材の両方で使える魚介類など豊富です。また、スパイスとスープの両方にオリジナリティーを出せるということから、非常に競争力の高い

アジャンタ

(※1)アジャンタ...約30年前からスープカレーを提供しつづける札幌スープカレーの老舗店。市内に支店も数店舗ある。

商品とも言えます。
近年北海道大学界隈ではカレー地区といわんばかりにカレー店が集中しています(最近では電車通り沿いも激戦区)。具材がゴロンと入ったスープカレーはボリューム的にも学生に歓迎された他、辛さを設定することで味以外にもステータスを持たせたことも一つの要因でしょう。「具材がゴロン」というのも、北海道スープカレーの大きな特徴ですよね。
現在はカレー専門店に限らず、レストランや居酒屋、バーなど多くの飲食店で食することができます。ラーメンに比べ店のイメージも損なわれづらく、かつお客さんを呼び込める(流行に便乗する)ものなんですね。カレーは家庭料理、金を払って外食するものではないと思う人も多いと思いますが、それだけ身近に感じる料理なんですよ、カレーは。それでいて、外見も中身も家で食べるものとは全然違うんですよね。


モルジブフィッシュ

(※2)モルジブフィッシュ...モルジブ版鰹節で、鶏、魚以外の料理の味付けに広く使われる。漁業が盛んなモルジブでは輸出品のメインにもなっている。

ところで、札幌にはスリランカカレーを食べられるお店というのが非常に多いです。札幌におけるスリランカカレーの元祖はいわずもがな「スリランカ狂我国」でしょう。前出の「アジャンタ」とともにスープカレーの一つの流派というか、流れを持っています。実際、多くのカレー屋の誕生にはスリランカ狂我国が関わっている場合が多いようです。(ポレポレやジャックインザボックス、プルプル等) また店名に「スリランカ」が付いているこのお店がスープ状のカレーを出していた。さらにこのお店はもうかってるぞってなことになれば、スープカレー=スリランカカレーとの認識から来ているのかもしれないですね。スリランカカレーといって出してるお店でも、ほんとにそれが「スリランカカレー」なのかよくわらない店もありますし。 料理的にはスリランカカレーは日本人好みの味がするようになってます。
スリランカカレーの調理には各種スパイスの他に※2モルジブフィッシュと呼ばれる食材を使用します。このモルジブフィッシュというのは塩気の多い干し魚のことで、これをスパイスと一緒に杵でついて粉末状にしたり、スライス状にしたりして使用します。使い方は違いますが、日本の鰹節に非常に良く似ているのです。(余談ですが、東南アジアには梅干に似たアムチュール(干しマンゴー)もあります。)というわけで、スリランカカレー自体、日本人になじみやすい要素を持ってるんですね。


それにしても、新店がボコボコできましたね。現在は一時期の新店ラッシュも落ち着いたのかそれほどでもないですが、月に1、2店はオープンしてます。一方で、いかにもブームに便乗してオープンしたカレー屋や閉店してしまったお店などもでてきてます。いよいよ篩いにかけられはじめましたね。
流行っているとはいえ、客の絶対数はラーメンにはまだまだ及ばないです。特に外食という意味ではふらっと店を通りかかって、「ラーメンでも食うか」とはなるが、「カレーでも食うか」というレベルには到達していないでしょう。スープカレーとしての認知度の他、カレー=家庭料理の観念が強いためです。ラーメンに比べて、スープカレーを食べている人と食べていない人の差が極端に開いているんですね。知らない人は存在自体を知らない。必然的にカレー屋に行く人はある程度スープカレーを食べたことのある人達=舌の肥えた人達になっていきます。その人たちを取り込むには、ブームにのっているだけではすぐつぶれるでしょう。いかにオリジナルなカレーを出せるかっていうのが、これからのスープカレーで必要なことですね。

2002年3月 大木煩悩



●第壱世代〜老舗の味確立期〜
アジャンタ
こうひいはうす
カリー軒
デリー
スリランカ狂我国
etc.

●第弐世代〜暖簾分けから個性化へ〜
ミルチ
ガラムマサラ
ポレポレ
サボイ
花車
マジックスパイス
etc.

●第参世代〜スープカリーブーム到来〜
村上カリー店
カレーリーブス
ピッキーヌ
らっきょ
VOYAGE(ピカンティ)

etc.

●第四世代〜百花繚乱(または玉石混交)期〜

※上記世代分けは赤黒い恋人さん運営のアカクロホンポより引用しています。



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